ファイザー社のコロナ・ワクチンの開発に貢献したハンガリー出身で、米国在住のカタリン・カリコ博士〈朝日新聞からの転載)

ハンガリー出身の生化学者で、ファイザー社のコロナ・ワクチンの開発に貢献したカタリン・カリコ博士(女性、66歳、米国在住)について、3月26日付の朝日新聞が、一面の「天声人語」欄で、記述していますので、下記に転載させて頂きます。なお、表題につきましては、当協会のホームページにも、関連情報が記載されていますので、御参照下さい。又、在ブダペストの盛田常夫元法政大学教授によりますと、ハンガリーでは、カリコ博士については、週刊誌的な取り上げ方はせず、時折、インタビュ-記事が掲載される由です。

1,新型コロナウイルスのワクチンの源流をたどると、テディベアがある。おかしなことを言うようだが、それが開発に貢献したカタリン・カリコ博士の物語だ。東欧ハンガリーの若手研究者だった1985年、「鉄のカーテン」を越え米国へ渡ることを決めた。
2、米CNNなどによると、車を売って手にしたお金をクマのぬいぐるみの中に隠し、夫と娘の3人で出国した。ウイルスそのものを使わずにワクチンを作るmRNA(メッセンジャーRNA)の研究を続けるために大学に籍を置いたが、道は険しかった。
3、従来型のワクチンはウイルスを鶏の卵で増やして作る。mRNAはウイルスの遺伝情報だけを使うので、短期間でワクチンができると考えられた。しかし、成功の可能性は低いと見る人は多く、助成金を申請しても却下され続けたという。
4、「普通なら、さよならと言って去るところだ」とカリコ博士は後に語ったが、その時は決して諦めなかった。やがて同僚の研究者とともに、有効な方法を開発する。それがファイザー社などのコロナワクチンの基礎になった。
5,コロナの感染拡大の当初、有効なワクチンは簡単にはできないと見る専門家は少なくなかったが、悲観論は覆えされた。接種の進むイスラエルや英国などでは効果が出ている。日本でも、来月にも高齢者への接種が始まる。
6、「”研究は君にとって娯楽だね”といつも夫から言われる」とカリコ博士は米メディアに語っている。情熱とアイデアが、医学を前に進めている。